靴紐の長さはどう決める?考慮する条件と長さの目安について解説

靴の中央にあり、靴の印象を左右するともいえる靴紐。靴を製造する場合に、重要なポイントの一つです。

靴紐の色や形状を決めることは、靴本体との調和を考えればイメージしやすいですが、その長さはどのように決めればいいかイメージしづらいかもしれません。

今回は、靴紐の長さを決めるために考慮するべき条件とおおよその目安について解説します。

ポイントが明確になれば、具体的に考えやすくなるものです。靴紐選びの参考にしてみてください。

 

1.靴紐は何のためにある?

靴紐を調節することで程よいフィット感が得られ、靴の履き心地が決まります。

適切に調節できるためには、ある程度の余裕が必要ですが、長すぎると結んだときに不格好になるため、程よい長さを決めなければなりません。

一般的に、結んでいない状態で15~20cm余っているくらいが良いとされています。

 

2.長さはどんな条件で決める?

靴紐の長さは、靴のデザインによって変わります。具体的には、主に以下の要素があります。

2-1.穴の数

靴紐を通す穴の数は、靴紐の長さを決める最も大きな要素です。靴紐を通す穴が多くなるほど、長い靴紐が必要になります。

ハイカットタイプのスニーカーや編み上げのブーツには、靴の空き部分を締めるためにも、意外なほど長い紐が必要です。

逆に、空き部分を締める必要性よりも、主にデザイン要素として靴紐を使う場合には短くなります。

穴は、シューレースホール鳩目(ハトメ)アイレットなどとも呼ばれます。

 

2-2.内羽根・外羽根

靴紐によって、穴のある左右の部分を締めたり緩めたりしますが、この左右の部分のことを「羽根」と呼びます。革靴には、羽根の付き方が2種類あります。

内羽根は、左右の羽根がぴったりくっついて、閉じている状態になります。足の甲の部分と一体化していたり、入り込んでいたりします。

上品で落ち着いた、クラシカルな印象を持つタイプです。靴紐の長さは外羽根のものに比べて、短くなります。

 

外羽根は、一般的なスニーカーのように左右の羽根が離れており、靴紐でつながっている状態です。

足の甲部分の上に羽根が乗り、くっついているような形です。内羽根に比べてカジュアルな印象で、一般に馴染みのあるタイプです。

 

2-3.結び方

基本の商品をどんな結び方にするかでも、必要な長さは変わってきます。

結び方のレパートリーは意外に多く、同じ靴でも結び方ひとつで印象が大きく変わります。

おしゃれな結び方を生かし、デザインの一部にすることも一案です。

 

3.長さの目安

靴紐の全体の長さは、一般的に55cmから150cmと幅広くありますが、靴を製造する場合はこの限りではありません。その靴に合った長さを設定しましょう。

穴の数のみでのおおよその目安は、以下のようになっています。

ただし、同じ穴の数でも、デザインによって必要な長さは異なります。女性や子どもの場合は、短めに設定するといいでしょう。

あくまでも目安ですので、参考にしてみてください。

 

【スニーカーの場合】
穴の数:紐の長さ
2~3:55cm
3~4:65cm
4~5:75cm
5~6:90~100cm
6~7:120cm
8~9:150cm

 

【ビジネスシューズ・革靴の場合】
穴の数:紐の長さ
4~5:65~75cm
5~6:80~85cm

 

4.デザイン面も大切

適切な長さがわかったら、靴本体との調和を考えたデザインの靴紐を選びましょう。色によって、結んだ時のバランスが変わることもあるので、微調整が必要です。

靴紐の主な形状は3種類あります。

平紐は、平らなテープ状の靴紐で、最も一般的なものといえます。

丸紐は断面が円状のもので、革靴に多く、スポーツシューズにも見られます。

平紐と丸紐の中間的なものが平丸紐で、断面が楕円状になっています。

こちらもスポーツシューズに多いタイプです。デザイン面だけでなく、強度やほどけにくさに違いがあります。それぞれの特徴を考慮して選びましょう。

色や材質はデザイン面の最たるものです。必要な長さを満たしていれば、自由に選んで問題ありません。

強度や耐久性の低いものは避け、全体に馴染むものを選びましょう。

 

5.チップ加工について

靴紐に欠かせないのが、先端のチップ加工です。靴紐の端を加工することで紐を丈夫にし、穴に通しやすくしています。

一番身近なものは、「セルチップ加工」と呼ばれるものでしょう。先端にプラスチックのフィルムを巻いて固めて加工したものです。靴紐や、パーカーの紐にもよく使われています。

ほかにも金属の材料で加工した「メタルチップ加工」もあり、高級感やカッコよさをプラスします。

加工それぞれに色のバリエーションも豊富です。小さな部分ですが、ここにこだわることで靴の印象はガラッと変わります。

 

6.まとめ

靴紐は、靴の本体とともに外観の印象を左右する重要なパーツです。中央にあり、全体のバランスを決める部分だからこそ、適切な長さを設定する必要があります。

「株式会社カワナ」は、靴紐に最適な資材を豊富に取り扱っております。

企画・製造も行っておりますので、お客様にご満足いただける商品をご提供できます。

ぜひお気軽にお問い合わせ・ご相談くださいませ。