ウエストのゴムにストレスを感じると、せっかく買った服も着たくなくなってしまうかもしれません。
また、同じブランドの服を避けてしまう可能性もあります。ウエストサイズが表記通りであること、ゴムがねじれたり曲がったりしにくいこと、衣服に合わせて適したゴムが使われていることの3つのことが守られていると、不快な気持ちになることはありません。
この記事では、ウエストゴムの長さの目安について詳しく解説します。
自社製品の制作を考えているという方は、ぜひとも参考にしてみてください。
ウエストのゴムの長さの目安って?
まずは、ウエストに合わせてゴムを適切な長さにする方法を解説します。
ウエストのゴムの長さを決めるための目安があります。下記のパターンによって若干の違いがあります。
試着ができず、ウエストサイズ表記だけで購入するネットショップなどは、この割合を守ることでお客様の快適な着心地を約束することができます。
一般的なウエスト
一般的なウエストのゴムの長さは、実際のウエストサイズ×0.9~0.8+2~3cmです。
まず実際のサイズより小さめにするのは、ゴムが伸びるからです。そして2~3cmプラスしたところは、ゴムを重ねて縫い付ける部分とします。
0.9~0.8と幅があるのは、
・厚い生地か、薄い生地か
・ゴムが固いかそうでないか
によります。
厚い生地と薄い生地の違いは、下に引っ張る重さです。
重い生地はウエストから下に引っ張る感覚が強くなるため、緩めに設定すると重さでずれてきてしまいます。
同じ長さでも、薄い生地より厚くて重い生地のほうが緩く感じます。またゴム自体が固くて伸びが弱いと、良く伸びるゴムよりきつめに感じます。
子ども服のウエスト
子ども服の場合には、少しきつめに設定します。
ウエストサイズ×0.8+2~3cmが適度でしょう。なぜなら、お子さんの場合には、ウエストにくびれがなく寸胴です。
そのため、ウエストで引っかからないために、ゴムだけの力でずり落ちないように止める必要があるのです。
リラックスウェアのウエスト
パジャマや部屋着は、リラックスした状態で着たいものなのできつくするとリラックスできません。しかしながら緩いとずれてきてしまい、安心して寝ることができないので、適度な緩さ加減が必要となります。
具体的には、上記のゴムの長さを少し緩めに設定し、下記に詳しく解説するゴムの種類に注意します。
ゴムタイプの種類は何がベスト?
ウエストに使用するゴムは、多くは平ゴムです。種類としては、織りゴム、編みゴム、コールゴムの3種類があります。
織りゴム
文字通り、織って生産されたゴムです。一番厚みがあり、しっかりかたちをキープしているので、フィット感があります。
幅もかなり太いものが存在します。かわりにあまり細いものは製造されていません。スポーツウェアや大人のボトムスなどに使用されています。
編みゴム
編んで生産されたゴムで、かなり引っ張る力に強い薄くて速乾性もあるゴムです。
柔らかくて薄いためリラックスウェアや子ども服によく使用されます。
コールゴム
6コール、などという表記で見たことがあるのではないでしょうか。
縦筋の入った、引っ張ると幅が細くなる平ゴムの中では一番伸びるゴムです。100均ショップでよく見るゴムはこれです。下着などに使われます。
ウエストゴムでよくあるトラブル
最後に市販の洋服を買ったとき、ウエストのゴムで困ることをまとめてみました。その解決方法のヒントも考えてみます。制作する時のヒントにもなると幸いです。
ウエストのゴムを替えるためのホールがない
長くお気に入りをはきたい場合や、お子さんが少しきつい、緩いと訴えたときに、ゴム穴がないと困ります。
こうした場合には、ゴムを通すために筒にして縫ってある下部の糸を、2cmほど切ります。そこからゴムの取り換えを行い、前から縫ってあった部分と重ねて縫い付ければ元通りになります。
太めの平ゴムがなかでねじれる
とくにお子さんのズボンやスカートはゴムが多く、太い平ゴムだと中でねじれてなかなか直せなくてイライラすることがあります。
そんな時には、両サイドと前後、計4ヵ所を、ズボンとくっつけておきます。
そのくっつけ方に注意が必要です。ゴム全体を塗ってしまうと、ゴムが伸びなくなり履きにくくなるだけでなく、見た目に良くありません。
なので、ゴムが通っている筒状の布の裏側(内側)とゴムの上部1センチを縦に縫い付けます。
そうすればゴムとズボンはきちんと固定され裏返らず、表側に糸も出ないので見栄えも影響しません。
ただし、この細工をしてしまうと、ゴムを変えることが難しくなってしまいます。
すぐ伸びる
すぐ伸びてしまうのは替えが必要となり、とても面倒です。
ゴムの入れ替えは、ゴム通しや安全ピンを使うのが主流ですが、実は古いゴムが入った状態なら、さっと入れ替えることが可能です。手順はこうです。
・新しいゴムをサイズ通りにカット
・ゴム穴から古いゴムを20cmくらいひっぱりだす。
・古いゴムをカットし、片方に新しいゴムを結ぶ
・結んでいない方の古いゴムの端を引っ張り出す
・新しいゴムが代わりに入っていくので入り切ったら古いゴムを取り除き、新しいゴムの両端を縫い付けて完了
平ゴムの場合はつなぎ目を結んでしまうと分厚くなり存在感が出てしまいます。縫い付けるのがおすすめです。
まとめ
今回は、ウエストに使うゴムの長さの目安をはじめ、使用頻度の高い平ゴムの種類と特徴をまとめてみました。
また、ゴムについて一般的に困ることも挙げてみました。ストレスのない洋服にするためにも、ウエストゴムにはこだわりが欲しいものです。
「株式会社カワナ」ではゴムも種類を数多く取り扱っております。
ウエストのゴムをはじめ、自社製品の製作過程でお困りのことありましたら、ぜひお問い合わせください。お待ちしております。